標本選択・保存・撮影方法

当サイトを訪れて下さった方々からよく次のような質問のメールをいただきます。

標本選択の基準
標本の保存方法
標本撮影方法

そこで少しでもそのご質問に答えられるようこのページを作ってみました。参考になれば嬉しく思いますがいかがでしょうか?

標本選択の基準

私が標本を選ぶ場合、いくつかのポイントがあります。

大きさ
カラー
透明度
価格
希少性
状態
産地


この7点を注意して見ます。「えー!そんなに!」とお思いになるかもしれませんが私にとっては大切な事なんです。
まず、
大きさ
小さ過ぎても美しさが表現しきれない為駄目。大き過ぎても結晶が大味になってしまって駄目。2〜7の項目を考慮してその標本が最も美しく見えるサイズ、産地やカラー、結晶形によっても違いますが大体母岩付きで3p〜14p、結晶のみの場合透明度等を考慮して1pから4pがベストです。
次にカラー
カラーは薄過ぎるものは駄目。無色透明な結晶は別ですがもともと有色の標本で薄いのは×。逆に濃すぎるのも駄目。透明度が落ちる為。その産地産地の特徴的カラーを求めます。
次に透明度
私が最もこだわる点です。螢石は透明度が売りの一つですが案外透明度の高い標本は少ないです。その中でいかに透明度の高い標本を選ぶか、ここが面白い所であり勝負所でもあります。透明度は画像ではなかなか分かりませんが私の場合は結晶を通して背景がどれだけ写っているかを目安にしています。
次に価格
正直あまり気にしません。なるべく安くいい物をと思うのですが「良い物は高い」というのは必然性で逃れる事は出来ません。これを逃すともう機会はないと考えると買えちゃうもんです(笑)この点はあまり参考にしないで下さい(汗)
次に希少性
螢石はカラーバリエーションが豊富な為、希少性の高いカラーが存在します。代表的なのはピンク、赤、バイカラー、トリカラー等がそうです。
次に状態
これも重要なポイントです。結晶の欠け、退色、クラック、内包物、この4点は必ずチェックします。この4点を全てクリアーしたものをスペシャルページに、1点でも外した場合は標準ページへ掲載しています。なので前者は必然的に高額になります。
最後に産地
私の場合、世界征服?を目指しているので全ての産地が対象になります。これはあくまでも私個人の話で皆様は好きな産地を絞ってみるのもいいかも知れません。同じ産地でも様々な標本が存在します。それをこれまでのチェック項目を参考にしてより素晴らしいものを探してみるのも楽しいです。

標本の保存方法

まず螢石を収集する場合、知っておくべき事の一つに湿度があります。
螢石は硬度が低い上にへき開がはっきりしているため、クラックが入り易い鉱物です。湿度が高くなり、もともとある微細なクラック内の空気が膨張するとそのクラックをきっかけに大きなクラックへと発展します。ですからなるべく標本の近くに除湿剤を置くか、なるべく風通しのいい涼しい場所で保管して下さい。
棚などに並べて飾る場合は、直に置くのではなくアクリル台に固定して置くなど、ある程度標本に高さを与えてあげるのも効果的です。
湿度が高いとたまに「ピシっ!」と音がし、クラックが入ります。

次に日光(紫外線)ですが、螢石のカラーの成因となっている物に希元素があります。この希元素は紫外線や直射日光に反応する物が多く、一度退色・変色すると二度と戻りません。螢石は紫外線で蛍光する特徴があり、それが魅力の一つですが常に蛍光させている状態は非常に危険です。
特にピンク色や赤色、イリノイ産のような複数のカラーを持つ標本、黄色は要注意です。
棚などに飾る場合は、必ず光を通さない布などを棚全体にかけておくと良いでしょう。

次に
油分。これが難しいのですが、よく標本店などで標本を固定するミネラル・タッグが売っています。
このタッグは標本専門店で販売している物ですから間違いではありません。しかし、殆どのタッグは微量ながら柔らかさを保つため油分が含まれます。特に市販のタッグもどきは危険です。
必ず精製成分を確認して購入して下さい。
この油分は螢石の場合、かなりの確立でクラックを侵食します。そのため、普段は気が付かないのですがタッグから外そうとすると標本が割れる場合が多々あります。これはタッグの油分がクラックに入り込み、標本全体を柔らかくし、脆くしているためです。
私の場合、ミネラル・タッグは使いません。では何を使っているか。それは「ひっつき虫」と呼ばれるポスターを壁に固定するゴムです。壁に画鋲等で穴を開けたくない場合に使うもので、頑丈で柔らかく、そして取り易いという性質があります。これは油分を全く含んでいません。対象がポスター等の紙なので油分が使えないのです。私自身、何年も探し、精製成分を調べた結果、これに辿り着きました。ちょっと高いですがお勧めです。

あとは標本に対する
愛情。これが一番大事だと思います。聞いた感じ、「めんどくさい!」と思うかも知れませんが標本に愛情があればこれぐらいの事は出来るはず!
そんな気持ちで大切な標本を後世に伝えて下さい。

標本撮影方法


ここでは簡単ではございますが私の標本撮影方法をお教えしたいと思います。
まず、次のように進めて行きたいと思います。

使用カメラ編
光源・照明・撮影方法編

お断りしておきますが、私の方法は私独自の方法というわけではなく色々な方が採用している方法でありプロのような画像が撮れる代物ではありません。(あとは腕と工夫次第です)

使用カメラ編

それでは本題に入ります。
まず、私が使用しているカメラは「Nikon D40x」です。
全体的に軽く機能性に優れています。色の再現性と画像の美しさが優れた機種のため使用しています。

Nikon D40x


光源・照明・撮影方法編

光源は主にスタンドライトと部屋の明かりのみです。スタンドの光を標本の斜め前方から、部屋の蛍光灯を真上からというように撮ります。


まず衝立を作り、そこへ白やグレーの画用紙を立て掛けます。
画用紙は必ずカーブを描くように立て掛けます(標本の後ろに角を作らないように)。角を作ると背景に境が出来てしまい、背景の下部と上部の色が変わって写ってしまいます。それを防ぐためにカーブを作ります。そうする事によって背景の色が全体的に統一され、美しい写真になります。


その画用紙の上に標本を置き撮影しています。カメラを三脚に固定(必須)して標本、ライトを動かしながらベストポジションを探します。(カメラは絶対に動かしません)
照明は写真のように右前方から当てます。それでも光量が足りない場合はライトの反対側(向い側)に白い紙を立て、光を反射させて撮影します。


決まったらいざ撮影!!

撮影をした画像はパソコンに転送してソフトを使って編集します。私の場合はPaint Shop Proとホームページビルダーに入っている機能を併用しています。カラー、彩度はほとんどいじりません。(使っているカメラはいじる必要がないほど再現性に優れているので)
納得のいく写真が撮れたらサイトに載せます。しかし納得のいく写真が撮れるのに何十回と撮り直すのは言うまでもありません。

非常に簡単に書いて来ましたが私はこの程度しかしていません。あとはカメラを信じて頑張ってます。

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